Nコン課題曲について
NHK全国学校音楽コンクール(以下Nコン)中学校部門でいわゆるJ-POPの音楽家が課題曲を担当するのがすっかり定着した。
これは参加校を増やしたいNHKと、公共放送という絶大なプロモーション力を使いたいアーティスト(あるいはその所属事務所)の思惑が一致した結果だろうから、
課題曲の出来不出来に関わらず今後も続くと思われる。
いわゆる合唱コンクールファンの中には「J-POPではなく合唱界で知られた作曲家に戻してほしい」という考えの人もいるだろう。気持ちはわかる。
だがちょっと待ってほしい。
合唱界で知られた作曲家様が書いた課題曲が、必ず名曲になるという保証はどこにもない。誰が書こうと駄作が生まれるリスクはあるのだ。
そして思い出してほしい。
課題曲発表の放送で「やっぱり○○が書いたんじゃ無理だ」と一度は落胆したが、あの学校やあの学校が演奏するのを聴いて
「これ、こんないい曲だったの?」と感動を新たにしたことを。
ちょっとやそっとの駄作だろうと、中学生や指導者は乗り越えていくのである。
駄作を名曲に、名曲を超名曲にするのが演奏の力なのだ。その「力」を目の当たりにする瞬間が続く限り、私はNコンを支持する。
と、ここまで色々書いておいてアレだが、生で聴くならNコン中学部門より全日本合唱コンクール中学部門の方がいい。
だってNコンと違って課題曲が無いから流れがスムーズなんだよね。
このコラムの担当者について
「simanb」いくら合唱団を掛け持ちしようと、ただそれのみでは技術は向上しない。身をもって痛感中。
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